英語は難しくない!大人のための最短英語学習法

忙しい大人のための効率的な英語学習法について書いていきます。

英語学習をしている人でなかなか上達できない人が陥っている3つの罠とは?

シュリーマンの外国語習得法を実施する際に、日本人学習者が陥りがちな注意点を書
いておきます。
これは陥るというよりも、抜け出せない点といった方が正確かもしれません。

シュリーマンの母国語はドイツ語で、その後習得した外国語も、ほとんどインド・ヨーロッパ語族に属しています。

インド・ヨーロッパ語族の起源は黒海沿岸のトルコやウクライナであると言われていて、既に紀元前後にはヨーロッパ全域はもちろん、アジアでもかなりの範囲に分布していたようです。

さらに現在では、ヨーロッパ諸国による植民地支配によって、インド・ヨーロッパ語族を主要な言語とする国は世界の半分以上を占めています。
むしろ、インド・ヨーロッパ語族は、東アジア・中東以外のほとんどの国で公用語として使われているという言い方もできるでしょう。

このうち、主にシュリーマンが学んだのはヨーロッパ語にあたります。
世界史に見るように、ヨーロッパでは戦争や交易、宗教や文化面での影響から、文字や語彙など共通した部分が多く見られます。

これに対して、日本語はその系統が明らかではなく、琉球語と合わせて日本語族と言ってもよいほど独自性の高い言語であると言われています。

日本人のほとんどが最初に学ぶ外国語は英語だと思いますが、私は自分の扱った英語教材の学習者からの報告や相談から、日本人の英語学習者が抱える3つの大きな問題点を認識しています。

最も大きな問題は「文法」と「翻訳」です。

特に語順の違いが大きな障害になっていて、ヨーロッパ語では主語・述語・目的語のSVO型が優勢なのに対して、日本語はSOV型になっています。

この差を吸収するためか、日本での英語教育は、「返り読み」と言われる翻訳中心の学び方をしてきました。
また、ほとんどの課程で文法中心に授業が行われるため、「これは過去時制のうち、習慣・経験を表す用法」「等位接続詞と従属接続詞を用いて重文と複文を置き換える方法」といった知識の習得を必要としてきました。

私はこれら文法の説明を文法書から引いて書いているのですが、これらの知識は英語でコミュニケーションをする上で必要ではありません。

 

なので私の取り扱っている英語教材では、英文法をほとんど排除して、ミニ・シュリーマン・メソッドとも言えるやり方で学習を進めています。

この教材の使用実績から判断すると、ほとんどの学習者がこのやり方に驚くようです。
そして、ほとんどの学習者が問題なくこのやり方に移行していくわけですが、やはりごく一部の何名かは「訳さないと理解できない」「文法的に説明がないと安心できない」といった状態に陥っているわけです。

ここでシュリーマンの外国語習得法を紹介するにあたって心配なのは、その過酷な学習スタイルが続くかどうかということだけではありません。
日本人の多くが経験している「翻訳」「文法」癖とも言える学習法から、うまく脱却できるのかということです。

もちろん、この日本的な英語学習法で素晴らしい英語力を身につけている人も数多くいます。
しかし、このシュリーマンの外国語習得法に興味を持ったあなたは、今までのやり方ではうまくいかなかった人ではないかと思うのです。

シュリーマンの外国語習得法では、この点がカバーされていません。

ですから、あなたがまだ1つもヨーロッパ語をマスターした経験がない、あるいは「翻訳」「文法」癖が抜けないといった状態であれば、注意して頂きたいのです。

そういう場合、シュリーマンの外国語習得法のうち、「単語表」での学習割合を増やしてみてください。
そして、文法を意識せず、日本語に訳すことなく、文章を作成することができるようになるまで訓練してください。
これができないうちは、本の丸暗記に移らない方がよいと思います。

そして、最後の問題点ですが、それは「英会話」です。

私の扱っている英語教材に対して、「英会話ができるようになりますか」という質問が比較的多く寄せられるのです。
もちろん、「英会話なら、旅行ガイドを見てください」と言いたくなるのを我慢して、丁寧に応対しています。

中でも驚くのが、「スラング混じりのくだけた会話ができるようになりたい」という要望を寄せられることです。
これを日本語で置き換えてみると、江戸弁や大阪弁を学びたい、あるいは渋谷や八王子の子供が使う流行り言葉を学びたいと言われているような気がします。

ともかく、「読む書く」という能力より、「聞く話す」という能力、特に「聞く」能力を高めたい人が多いようです。
中には「耳だけで英語を覚えたい」という人もいて、これは確かにネイティブの子供が言葉を覚える方法と一緒のため、説得力があります。
ただ、ネイティブと一緒ということは、時間がかかるということなので、「余計な時間がかかりますよ」と言うのですが、なかなか強情です。

どうしてこういう人が多いのか不思議だったのですが、考えてみれば私たち英語教材の販売者を含む英語教育関係者は、「耳から英語を学ぶ」とか「かっこいい英語が話せる」といった感じのキャッチフレーズを中心に販売を進めています。

 

さらにそれをモデルや俳優の外国人に言わせているので、確かに「かっこいい」点には非常に説得力があるわけです。

「シェークスピアの全作品をブロードウェーの役者のように朗読できるようになります」とか、「ビクトリア朝の文学作品が書けるような英語の文章力が身につきます」という魅力的なキャッチフレーズは見たことがありません。

おそらく、そういう私たち英語教育業界の戦略で、こういう事態が発生しているのだと思います。

もしあなたがそういう考え方に染まっている場合、このシュリーマンの外国語習得法はうまく使いこなせないことでしょう。

あなたがここまで読んでどう思ったか、それは私にはわかりません。
私もこのシュリーマンの外国語習得法が唯一最高の方法だと言い張るつもりもありません。

でも、1回だけお願いします。

シュリーマンの外国語習得法のメリット、「短期間で外国語をマスターできる」「幼児会話ではなく、大人がビジネスに使える外国語をマスターできる」といった面をもう一度思い出してください。

そして、全面的にではなくても、このシュリーマンの外国語習得法の一部、あるいは考え方をあなたの外国語の勉強に役立ててみてください。