シュリーマンの言語学習法を英語の勉強に応用してみた
さて、前回紹介した通りにやれれば全く問題はないのですが、いくつかの問題が発生します。
最も大きな問題はネイティブの教師に支払う費用だと思います。
また、単語を抜き出す作業なども手間と時間がかかります。
そこで、私の方から修正案を出してみます。
1.自分が英語を学ぶ目的を確認する
2.辞書などを使い、必要な単語を抜き出す
→修正案:目的別単語帳を使う
3.ネイティブの先生を確保する
→修正案:添削サービスを使う
4.基本的な文法を確認する
5.単語表を作成し、先生にその単語を使った文章を作成してもらう
→修正案:辞書や単語帳の例文を使う
6.単語と文章を丸暗記する
7.2枚目の単語表を作り、今度は自分で文章を作成する
8.自分の文章を先生に直してもらう
→修正案:添削サービスを使う
9.単語と訂正した文章を丸暗記する
10.全ての単語を覚えるまで、7~9を繰り返す
11.期限の半分が来たところで、英語の本の丸暗記を開始する
(本の選択方法は後述)
12.本は1回20ページを目安に次回の授業までに覚えることとし、先生の前で暗誦する
→修正案:暗誦は誰かの前であればよしとする
13.本を丸覚えするまで、11~12を繰り返す
この添削サービスというのは、インターネットの電子メールなどを使って行うサービスです。
英文添削の専門サービスで、個人が運営しているものもあれば、翻訳会社がやっているものもあります。
検索エンジンで、「英文 添削」「英文 校正」などのキーワードを入れて検索してみてください。
価格ですが、1回数百円程度からあるようです。
あらかじめ単語表をたくさん作る場合、単語単位で課金する翻訳会社のサービスも視野に入ってきます。
ただし、添削サービスでは英文を送ってから、添削されてくるまでにタイムラグがあります。
さすがにリアルタイムの家庭教師には適いません。
添削サービスを使いたくない、お金をかけたくないという人には、3つの解決策があります。
1.ネイティブのペンフレンド(メールフレンド)を作る
2.ネイティブの友だちを作る
欠点は添削サービスと同様タイムラグがあることです。
それにお金をかけない分、相手を見つけたとしても、引き受けてくれるかどうかわかりません。
このあたりは時間をお金で買うという考え方が必要になってきます。
3.基本レベルの英作文をあきらめる
いっそのことやらないと割り切ってしまうのも手です。
自分で英作文をせずに、全て辞書や単語帳の例文を覚えていくのです。
もちろん、自分で英作文をしながら、単語を覚えていくという効果はなくなります。
シュリーマンもロシア語をネイティブの教師なしでマスターしたわけです。
シュリーマンはそれでも自分で作文をやったようですが、正しい文章という点では本の丸暗記の効果が高かったようです。
英作文をしながら単語を覚える課程をカットした場合、本の丸暗記と平行して、あるいはその後に英作文や日記を書いて訓練した方がよいと思います。
では、ここでもう一度修正した外国語習得法を整理しましょう。
<現代版シュリーマン外国語習得法>
先ほど紹介したサービスなどを使って、学習手順を書き改めました。
英語を学習する場合を想定しています。
1.自分が英語を学ぶ目的を確認する
2.目的に合った単語帳を用意する
3.英文添削サービスに契約する
4.基本的な文法をマスターする(中1レベルで可)
5.単語帳から、最初に覚える単語の例文を選び単語表を作る
6.単語と例文を丸暗記する
7.2枚目の単語表を作り、今度は自分で文章を作成する
8.自分の文章を英文添削サービスに依頼して訂正する
9.単語と修正した文章を丸暗記する
10.全ての単語を覚えるまで、7~9を繰り返す
11.期限の半分が来たところで、英語の本の丸暗記を開始する
12.本は1回20ページを目安に次回の授業までに覚えることとし、誰かの前で暗誦する
13.本を丸覚えするまで、11~12を繰り返す
丸暗記する本の選択は、amazon.com などのベストセラーから選ぶとよいでしょう。
せっかくですので、ネイティブの音声も聞くことにしたらどうでしょうか。
アメリカは車社会なので、CD のオーディオブックが充実しています。
しかも最低20ドルくらいからあり、50ドルも出せばほとんどの本が買えてしまいます。
勉強時間ですが、先にシュリーマンがアメリカ人向けに書いた論文がありました。
1時期に1言語だけという条件で、最低1週間で15時間、つまり平日5日間だけなら1日3時間、毎日勉強するなら1日2時間程度になります。
これだけの時間を捻出するには、かなりの苦労を伴うと思います。
実はシュリーマンは、晩年になるまで友だちらしい友達がいませんでした。
そのため、夜の付き合いなどもなく、語学の勉強に専念できたこともあるようです。
私たちが同じ時間を捻出するには、無理にスケジュールを空けるか、細切れの時間を活用するしかありません。
また、1日3時間勉強したらそれで終わりというのではなく、時間があったらできるだけ暗記に費やす準備が必要です。