英語は難しくない!大人のための最短英語学習法

忙しい大人のための効率的な英語学習法について書いていきます。

ハインリッヒ・シュリーマンの外国語習得法を調査分析し、その手順を明らかにした

これは、ハインリッヒ・シュリーマンの外国語習得法を調査・分析して、その手順を明らかにしました。

これまで「テキスト音読丸暗記」とだけ紹介されてきたシュリーマンの外国語習得法を、実際に学習できるように実用化しました。

また、彼のやり方を忠実に再現するだけではなく、その効果を損なうことなくより簡単に実行できる方法も提案しています。

シュリーマンは、貿易商、投資家、不動産王として莫大な財産を築いた稀代の実業家です。
また、トロイア・ミュケナイ・ティリュンスといった古代ギリシア遺跡を発見した考古学者でもあります。

そして、多くの外国語を操ったマルチリンガルとしても有名です。

彼の人生については、数多くの伝記が出版されています。
また彼自身、書籍、論文、手紙など数万点もの資料を遺しています。

ここではシュリーマンの伝記から、ビジネスや考古学の要素を排除し、彼の外国語習得法に焦点を当てました。
また、彼の性格や時代背景などにも考察を加え、この一見困難に思える外国語習得法を、現代の普通の日本人の感覚でも理解できるように書くことに努めました。

そして、シュリーマンと同じやり方で語学をマスターできるように、英語を題材に彼が実際に行ったやり方で学習手順を再現しています。

では、これから一緒にシュリーマンの外国語習得法の秘密を探しに出かけましょう。

シュリーマンの英語学習法についてインターネットで調べてみた

 

私はこのブログを執筆する前に、インターネットでシュリーマンの外国語習得法について、「英語学習法」という切り口で調べてみました。

ちょっと触れただけのものから、ある程度詳しく書いてあるものまで、5万もの日本語のウェブページが存在しました。

英語のページでも、"Schliemann method"、"Schliemann’s method"という呼び方で言及されているものが存在しました。

若干の差ですが、日本語のものより、英語のページの方に専門家が書いている割合が高いようです。

ともかく、彼の外国語習得法は、世界的に有名であることは間違いないようです。

これらのウェブページは、いずれもシュリーマンの伝記からの情報を中心にしたものでした。

私もこのブログをまとめるにあたって、次の3冊の伝記を拠りどころとしました。 引用箇所が多くなるので、先に紹介しておくことにします。

『古代への情熱―シュリーマン自伝―』
ハインリッヒ・シュリーマン著・関楠生訳 新潮社 第 24 刷

『シュリーマン―トロイア発掘者の生涯―』
エーミール・ルートヴィヒ著・秋山英夫訳 白水社 新装復刊

『トロイアの秘宝 その運命とシュリーマンの生涯』
キャロライン・ムアヘッド著・芝優子訳 角川書店 初版
以下、引用箇所では次の略称を用いることにします。

『古代への情熱―シュリーマン自伝―』→略称:古代への情熱
『シュリーマン―トロイア発掘者の生涯―』→略称:発掘者の生涯
『トロイアの秘宝 その運命とシュリーマンの生涯』→略称:トロイアの秘宝

前者2冊がドイツ語、最後が英語で書かれたものを翻訳したものです。
原書の刊行年は、1892 年、1932 年、1994 年と年代を追っていて、それぞれ約 40 年と 60 年の開きがあります。

日本語で読めることもあるのですが、この3冊を選んだのは、ちょうど刊行間隔が半世紀程度だ
ったことと、それぞれ異なる特徴を備えたものであるということです。

最初の『古代への情熱』はシュリーマンの自伝とされていますが、元々『イリオス』というシュリーマンの別な著作に含まれているものを中心に、彼の友人アルフレート・ブリュックナーがシュリーマンの死後に補完して完成させたものです。

補完と言っても、文章量からするとシュリーマンの筆によるものは4分の1にも満たず、「ほぼ自伝」どころか「やや自伝」という感じです。
さらにシュリーマンの手になるところには、創作や事実改ざんが含まれるとされ、一般的に信頼性が低いという評価です。

しかし、彼の伝記の中ではこの本が一番有名で、子供向けの偉人伝の原作になっているのは、ほぼこの本だと言って間違いないでしょう。

また、一般に知られているシュリーマンの外国語習得法、特に先に挙げたウェブページで読むことができるものは、この本からの情報がほとんどです。

次の『発掘者の生涯』は、伝記作家エーミール・ルートヴィヒが、遺族に依頼されて書いたものです。
遺された数多くの資料、夫人ソフィアの記憶を基に、先の自伝とは全く別に新しく書き起こされたものです。

文学研究の世界では、「洗濯屋の領収書」という言葉があります。
これは洗濯屋の領収書のようなものまで、作家の創作にどのような影響を与えたかを分析するような、いわば重箱の隅をつつくような研究を指すのですが、まさにそのような資料まで揃った環境で執筆されたものです。

シュリーマンの残した資料は、彼の駆使した多くの言語で記述されていますが、ロシア語及びギリシア語の資料については、シュリーマンの娘(前妻との間の娘はシュリーマンの在命中に夭折のため、おそらく)アンドロマケの手伝いを得ています。

このように遺族に依頼され、多大な協力を得たにも関わらず、資料に忠実で「嘘の多かった」シュリーマンにはかなり手厳しい内容になっています。

このブログでの引用は、次の『トロイアの秘宝』からが最多ですが、『トロイアの秘宝』自体が『発掘者の生涯』から多くを引用しているようです。

最後の『トロイアの秘宝』は、ノンフィクション作家のキャロライン・ムアヘッドの手になるものです。
それまでに入手できた数多くの資料や、その後の考古学研究によって訂正されたシュリーマンの発掘に関する情報はもちろんのこと、有名なトロイアの秘宝の行方を追って、現代までの情報が書かれています。

英語のウェブページでは、特にシュリーマンの考古学的実績において、この本から引用しているものが多数見つかりました。
大学や専門の研究所のページにも掲載されていましたので、非常に内容の優れた信頼性の高い資料だと思われます。

一番読みやすかったこともあるのですが、このように前者2冊の内容と最新情報を踏まえて書かれていますので、正確な情報を求めて1冊だけ読むのなら、この本をお勧めします。

ただし、実際のところ、彼の外国語習得法はこれらの伝記では小さく扱われているだけです。

基本的な材料は与えてくれるのですが、再構成し、全体像を明確にするのに、かなりの時間を費やしました。
また、間を埋めるのにいくらか私の経験と想像力を使わなければなりませんでした。
もちろん、『事実』と私の推測による部分は明確に区別できるようにして記述してあります。

他にも、シュリーマンの外国語習得法について書かれているかもしれない語学教材・指南書が何点かありました。
また、シュリーマンの外国語習得法を模範としているかもしれない語学学校や塾も存在しているようです。

私は敢えてそれらを調べることをしていません。

できるだけ、シュリーマンのオリジナルの外国語習得法にこだわりたかったこともあります。
それに、語学においては凡才である私の視点から書くことで、外国語習得に苦労をしている普通の人々に役立つものにしたかったのです。